硝子体手術について
当院の硝子体手術の特徴:実績豊富な医師による信頼性の高い治療
これまで多数の施設から依頼を受け、多くの硝子体手術を執刀してきた実績のある医師が手術を担当します。
眼科領域では白内障手術や緑内障手術、LASIKを代表とする屈折矯正角膜手術など様々な手術が行われています。中でも硝子体手術は脳と直結する神経線維で構成された組織(すなわち網膜)を直接触れることができる唯一の治療法であり、その難易度は高いとされています。
その名の通り網膜や硝子体の病気を治療することを目的とした手術ですが、臨床の現場では白内障手術や緑内障手術などで万が一合併症が発生した時にも必要不可欠な技術であるため、眼科における手術治療の柱とも言えるのではないかと思います。その特性上、高度な技術に加えて特殊なトレーニングが必要とされていますので、実際のところ眼科医の中でも執刀できる医師は決して多くはありません。
そういった難しい分野であるからこそ、医師の経験値が非常に重要だと考えます。当院では熟練した医師による信頼性の高い治療を受けて頂くことが可能です。
当院の硝子体手術の特徴として、切開創0.5mm程度の極小切開硝子体手術(micro-incision vitrectomy surgery: MIVS)で全症例対応します。wide-field viewing systemの代表的な機種であるResight(Zeiss社)を使用し、とにかく負担の少ない低侵襲手術を心がけています。麻酔は鋭針を用いない「テノン嚢下麻酔」ですので、おおよそ目を押される程度の刺激であり、麻酔に伴う痛みはほとんどありません。網膜は細菌やウイルスなどの感染によりダメージを受けやすいので、それを回避すべくクリーン度の高い手術室で治療を行います。特殊なフィルター(HEPA)の陽圧換気システムで塵や埃まで除去し、手術室の清浄度を最高水準に保っています。
基本は日帰り手術で行いますが、例えば入院手術を希望される方、目の病状から入院管理が必要と判断された方などは、連携病院(JCHO東京新宿メディカルセンター、東大病院など)での治療をお勧めさせて頂きます。
硝子体手術とは
硝子体とは、水晶体の奥にある卵白のようにドロッとしたゼリー状の透明な組織で、眼球の大半を占めています。眼球の外側を覆う強膜とともに眼球の形態を保ち、また眼球の透明性を維持する役割をしています。この硝子体に加齢変化や病的な因子が加わると、例えば網膜や血管を引っ張って破いたり、場合によっては硝子体そのものが濁ったり、出血したりすることで視力低下の原因となります。こういった硝子体の異常に伴って発症する病気を治療するため、眼内の出血や濁りなどを硝子体と一緒に除去する手術が硝子体手術です。白目の部分に3ヶ所の小さな穴を開け、それぞれにトロッカーと呼ばれる筒のよう形をした装置を取り付けます。そのトロッカーを介して細い器具を挿入して眼内の出血や濁りを硝子体と一緒に取り除き、必要に応じて網膜に生じた増殖膜や網膜裂孔に処置を加えて、網膜の機能回復を目指します。
硝子体手術の大まかな流れ
目の消毒を済ませてから、まず麻酔をします。すべての手術を「テノン嚢下麻酔」と呼ばれる局所麻酔で行います。おおよそ目を押される程度の刺激であり、麻酔に伴う痛みはほとんどありません。それでも痛みに過敏な方には適宜麻酔を追加しますので、痛みで苦しまれることはほとんどありません。
1.最初に白目の部分に0.5mmの小さな穴を3つあけ、それぞれに手術機器を出し入れするための筒(トロッカー)を取り付けます。
3か所の穴にはそれぞれ次のような目的があります。
- 1つ目:術中に眼球の形態を保つための灌流液(かんりゅうえき)を入れるため。
- 2つ目:眼内を照らす照明器具を入れるため。
- 3つ目:硝子体を切除するカッターと呼ばれる吸引装置、ピンセット、レーザープローブなどの器具類を入れるため。
2.濁った硝子体を切除し、必要に応じて膜を取り除きます。
出血などで濁った硝子体を硝子体カッターで切除します。切除した分量だけ眼内に灌流液が入り、置き換わっていきます。その後は疾患により対応が異なり、必要に応じて以下の処置を行います。
- 黄斑部に張った膜をピンセットのような器具で除去する(黄斑前膜、黄斑円孔)
- 増殖膜と呼ばれる分厚い膜をハサミで切除する(増殖糖尿病網膜症、増殖硝子体網膜症)
- 網膜にレーザーを照射する(網膜裂孔・剥離、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症)
3.網膜剥離や黄斑円孔などの疾患は、灌流液をガスに入れ換えて手術を終えます。
ガスを注入することによって、剥離した網膜を元の場所に張り戻したり、開いた穴を閉じたりします。ガスを注入した患者様には、術後は数日間うつむき姿勢をとっていただきます。
※手術時間は疾患によりますが、軽症なら30分程度、重症の場合は1~2時間くらいかかります。
※白内障に罹っている患者様については、白内障手術も同時に行うことがあります。
硝子体手術が適応になる主な疾患
網膜剥離
網膜剥離は、その名の通り網膜が眼底から剥がれてくる病気です。加齢や外傷などが原因で網膜に穴が開き、液化した硝子体が網膜下に入り込んで土台である色素上皮から剥がれた状態を言います。
糖尿病網膜症
糖尿病の合併症の一つです。網膜の毛細血管が閉塞して血の巡りが悪くなり、硝子体出血や黄斑部の浮腫、さらに進行すると牽引性の網膜剥離を引き起こして視力の低下を招きます。重大な失明原因の一つでもあります。
黄斑前膜(黄斑上膜)
眼球の網膜の前に膜が張って黄斑がそれに遮られ、物がゆがんで見えたり、色がくすんで見えたり、やがては視力が低下してくる病気です。
黄斑円孔
部分的な後部硝子体剥離に伴う牽引が原因となり、眼底の中心にある黄斑部の網膜に穴が開く病気です。黄斑部は網膜の中心に位置していて、物を見るための中心となる部分のため、黄斑円孔になると非常に物が見えづらくなり、視力は低下します。以前は治療法が無く、厄介な疾患でしたが、現在では手術により円孔を閉じ、視力も回復できるようになりました。
黄斑浮腫
黄斑浮腫とは、網膜中心部にある黄斑に液状の成分が溜まり、むくみを起こして視力が低下する病気のことを言います。視力低下のほか、物がぼやけて見える、ゆがんで見えるなどの症状を引き起こします。黄斑浮腫の多くは、糖尿病網膜症、網膜静脈分枝閉塞症、ブドウ膜炎など、様々な疾患が原因となって引き起こされます。
硝子体出血
網膜の血管などが切れて出血し、硝子体腔に出血が溜まった状態を硝子体出血と言います。光が出血により網膜までうまく到達しないため、視力障害を引き起こします。糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症、網膜裂孔・網膜剥離、加齢黄斑変性などが原因となって引き起こされます。出血が軽度であればひとまず経過観察して自然吸収を待ちますが、網膜剥離が疑われる場合は早期に硝子体手術を行います。網膜剥離が原因でなければ緊急性は低いので、1か月程度の経過観察で出血が吸収しない場合に手術を検討します。
その他
増殖硝子体網膜症、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、網膜下出血、硝子体混濁、ぶどう膜炎、外傷など。
硝子体手術の合併症について
1.硝子体出血
手術後に、眼内に出血(硝子体出血)が生じることがあります。術前から出血があった症例に比較的多く見られる傾向があります。出血が少量であれば自然吸収を待ちますが、吸収が遅い場合は再手術をして出血を取り除きます。
2.術後感染症
手術の前には目の消毒を十分に行い、完全に滅菌された器具を使います。しかし、ある一定の率で細菌感染が生じる危険性があります。非常に稀ですが(発生頻度2,000例に1件程度)、失明につながることもあり、緊急に眼内の細菌を除去・洗浄する必要があります。対応が遅れると視力が回復しない場合もあります。手術後に急激に視力低下した場合、充血・眼痛といった症状が出た場合は、すぐにご連絡ください。
3.網膜剥離
手術後に網膜剥離が起こることがあります。この場合、網膜を元に戻すための再手術が必要になります。発生頻度は施設ごとで異なりますのが、おおよそ0.1~0.2%程度です。
4.緑内障
術後の炎症や出血が原因で眼圧が高くなることがあります。もともと緑内障を合併している方はその傾向が強く見られます。点眼や内服治療で改善しますが、眼圧が下がらない場合は緑内障手術が必要になる場合があります。また、重篤な糖尿病網膜症の場合、血管新生緑内障という極めて難治な病態に陥ることがあり、失明に至ることもあります。
5.駆逐性出血
手術中に突然目の奥の動脈から急激な大出血を生じることがあり、駆逐性出血と呼ばれます。血圧が上がった場合、強く緊張した場合、咳き込んだ場合など、負荷が加わると出血が起きやすいとされています。このような出血が生じる頻度は極めて稀ですが(発生頻度10,000例に1件程度)、そうなった場合は高度の視力障害が残ります。
手術機器
アルコン 白内障・硝子体手術装置 コンステレーション
高い安全性と効率性を追求し、硝子体手術においては毎分20,000回転のカットレートを誇る最上位モデルの白内障/硝子体手術装置です。
アルコン 広角眼底観察システム Resight(リサイト)
手術顕微鏡に取り付けることにより、術中に網膜の状態を鮮明な画像で得ることができる装置です。
ドルク 高輝度光源装置 ブライトスター
キセノンを用いた高輝度光源装置です。従来のハロゲンに比べ圧倒的な明るさを提供でき、より安全な硝子体手術を可能にします。
硝子体手術の費用(片眼)
1割負担 約35,000~60,000円
2割負担 約70,000~120,000円
3割負担 約100,000~180,000円
費用は個人差があります。不明な点がございましたら担当医にお尋ねください。
高額療養費制度について
医療費が高額になり、1か月の自己負担額が上限を超えると、超過分が償還される制度です。自己負担額の上限は、医療機関ごとではなく、年齢や所得に応じて患者様ごと(複数の医療機関合算)の上限となります。いくつかの条件を満たすことにより、さらに負担を軽減する仕組みもあります。
超過分はご本人からの申請により償還されますので、申請方法やその詳細につきましては区役所などの窓口でご確認ください。詳細については厚生労働省のホームページ高額療養費制度を利用される皆さまへをご覧ください。なお、申請時に領収書が必要になりますので、手術を行う月の治療領収書は他院も含めてすべて保管しておいてください。生命保険などに加入していて手術給付金特約がついていらっしゃる方は、給付金を取得するため手術証明書を記載させて頂きますので、ご契約の生命保険会社にご確認の上、所定の用紙をお取り寄せください。
医院概要
医院名: | みずほ眼科 |
---|---|
診療科目: | 眼科・小児眼科 |
外来医長: | 渡邊 裕香(日本眼科学会認定眼科専門医/ボトックス治療認定医/オルソケラトロジー認定医) |
手術医師: | 田邊 樹郎(日本眼科学会認定眼科専門医・指導医/Best Doctors in Japan(2014~)/医学博士(東京大学)/PDT認定医/ボトックス治療認定医/厚生労働省身体障害認定医(視覚障害)) 詳しいドクター紹介はこちら >> |
住所: | 〒124-0012 葛飾区立石 1-15-5 みずほメディカルモール3F |
T E L: | 03-5654-7086 |
アクセス: | 京成線「立石駅」より徒歩0分
改札を出て右の階段を下り、駅を背に右折(押上方向へ戻る)イトーヨーカドーの先の1Fがセブンイレブンのビルです。 |
駐車場: | 提携駐車場16台 駐車場はこちら >> |
医院名: | みずほ眼科 |
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診療科目: | 眼科・小児眼科 |
外来医長: | 渡邊 裕香(日本眼科学会認定眼科専門医/ボトックス治療認定医/オルソケラトロジー認定医) |
手術医師: | 田邊 樹郎(日本眼科学会認定眼科専門医・指導医/Best Doctors in Japan(2014~)/医学博士(東京大学)/PDT認定医/ボトックス治療認定医/厚生労働省身体障害認定医(視覚障害)) 詳しいドクター紹介はこちら >> |
住所: | 〒124-0012 葛飾区立石 1-15-5 みずほメディカルモール3F |
T E L: | 03-5654-7086 |
アクセス: | 京成線「立石駅」より徒歩0分
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月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 | |
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09:00 ~ 12:00 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 専門外来 | - |
14:00 ~ 18:00 |
○ | ○ | 手術 | ○ | ○ | 17:00まで | - |